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「インデックスファンド」とは?知っておきたい仕組みと選び方を簡単に解説
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執筆者:
公開:
2023.04.02
更新:
2026.03.31
NISAの普及をきっかけに、インデックスファンドという言葉を目にする機会は増えていますが、仕組みをよく理解しないまま始めると、自分に合わない商品を選んだり、値動きに不安を感じて途中でやめてしまったりすることがあります。この記事では、インデックスファンドの基本的な仕組みから代表的な指数、メリット・デメリット、NISAでの活用法、始め方までを初心者向けにわかりやすく解説します。
目次
インデックスファンドとは?わかりやすく解説
インデックスファンドとは、日経平均株価やS&P500などの「指数(インデックス)」に連動する運用成果をめざす投資信託です。「パッシブファンド」とも呼ばれ、市場全体の値動きにそのまま乗れる点が特徴です。
たとえば日経平均株価に連動するファンドを1本買えば、トヨタ自動車やソニーグループなど225社にまとめて投資したのとほぼ同じ効果が得られます。みずから個別の企業をえらぶ必要がないため、投資の知識がまだ浅い初心者でもはじめやすい商品として広く選ばれています。
「指数(インデックス)」とは
- 指数とは、株式市場全体や特定の市場の値動きを数値にした指標です。ニュースで「きょうの日経平均は○○円」と伝えられる、あの数字がまさに指数にあたります。インデックスファンドは、この指数の動きにあわせて価格が上下するよう設計されています。
インデックスファンドのしくみ
インデックスファンドは、対象となる指数を構成する銘柄を指数と同じ(あるいは近い)比率で組み入れ、指数の値動きを再現するしくみです。ここでは日本株のインデックスファンドを例にくわしく見ていきましょう。
指数に連動させる方法【完全法と最適化法】
連動のやり方はおもに2つあります。「完全法(フル・レプリケーション)」は、指数の全銘柄をそのまま保有する方法です。もうひとつの「最適化法(サンプリング)」は、代表的な銘柄を統計的に選んで保有し、少ない銘柄数で指数に近い動きを再現します。
たとえばTOPIX(東証株価指数)は約2,000銘柄で構成されるため、すべてを買うとコストがかさみがちです。そのため、多くのファンドは最適化法や先物取引をあわせて活用し、コストを抑えながら高い連動精度を実現しています。
トラッキングエラーとは
ファンドの値動きと対象指数の値動きには、わずかなズレが生じます。このズレを「トラッキングエラー」と呼びます。ズレの原因はおもに、売買にかかるコスト・信託報酬の控除・構成銘柄の入れ替え時のタイムラグなどです。
トラッキングエラーが小さいファンドほど「運用の質が高い」と判断できるため、商品選びの重要な指標になります。月次レポートや運用報告書で確認しましょう。
基準価額のしくみ
投資信託の価格にあたるのが「基準価額」です。ファンドが持つ資産の時価総額から運用コストを差し引き、受益権の口数でわって算出されます。1日1回、市場が閉まったあとに公表される点が株価と異なるポイントです。
インデックスファンドでは、この基準価額の動きが対象指数とほぼ同じになるよう日々管理されています。一般的に1万口あたりの金額で表示されるため、はじめて目にしたときは「1万口=約○円」と読みかえるとわかりやすいでしょう。
おもな指数(インデックス)の種類と特徴
インデックスファンドを選ぶのは、「どの指数に乗るか」を決めるのとほぼ同義です。以下の表に、初心者がおさえておきたい代表的な指数をまとめました。
| 分類 | おもな指数 | 概要 |
|---|---|---|
| 国内株式 | 日経平均株価(日経225) | 日本を代表する225社の株価をもとに算出する「株価平均型」の指数 |
| 国内株式 | TOPIX | 東証プライム市場のほぼ全銘柄を対象にした「時価総額加重型」の指数 |
| 米国株式 | S&P500 | アップル、マイクロソフトなど米国の大型500社で構成。世界でもっとも注目される株価指数のひとつ |
| 全世界株式 | MSCI ACWI | 先進国・新興国あわせて約50カ国、約2,700銘柄をカバー。「オルカン」が連動する指数 |
| 先進国株式 | MSCIコクサイ | 日本を除く先進国22カ国の大型・中型株で構成 |
| 新興国株式 | MSCIエマージング | 中国・インド・ブラジルなど新興国の株式。高い成長期待とリスクを併せもつ |
| 国内債券 | NOMURA-BPI総合 | 日本の公社債市場全体の動向をしめす指数。株式より値動きがおだやか |
| 国内REIT | 東証REIT指数 | J-REIT(不動産投資信託)全体の値動きを表す指数 |
このほかにも、先進国債券、新興国債券、コモディティ(金や原油など)の指数に連動するファンドがあります。目的やリスク許容度にあわせて使い分けるのがポイントです。
「株価平均型」と「時価総額加重型」のちがい
- 日経225のような株価平均型は、各銘柄の株価を単純平均して算出します。一方、TOPIXやS&P500のような時価総額加重型は、企業の規模(時価総額)に応じてウエイトを決定します。後者では大型株の影響が大きくなるため、指数ごとの構成の違いを理解しておくと、ファンド選びの判断材料になるでしょう。
インデックスファンドと投資信託の関係
投資信託とは、おおくの投資家から資金を集め、運用のプロがまとめて株式や債券に投資する金融商品です。インデックスファンドはこの投資信託のなかで「指数に連動する運用をおこなうタイプ」に分類されます。
つまり、インデックスファンドは投資信託の一種です。
外国資産に投資する際の「為替リスク」を知っておこう
S&P500やMSCI ACWIなどの外国資産に連動するインデックスファンドは、株価の変動だけでなく為替の影響も受けます。たとえば米国株が上昇していても、同時に円高ドル安が進めば、円換算した基準価額が下がることがあります。これが「為替リスク」です。
為替リスクへの対応には、おもに2つの考え方があります。まず「為替ヘッジあり」のファンドをえらぶ方法です。これは為替変動の影響を抜きにした運用を目指しますが、ヘッジコストがかかる分、信託報酬がやや高くなります。
もうひとつは「為替ヘッジなし」をえらび、長期保有で為替変動を受け入れる方法です。20年以上の長期投資であれば、為替の変動は平準化される傾向があるため、多くの初心者向けファンドはこちらのタイプを採用しています。
なお、日本株の指数(日経225やTOPIX)に連動するファンドには為替リスクはありません。為替リスクが気になる場合は、国内株ファンドの比率を高めるという調整もひとつの手です。
インデックスファンドの具体的な商品例
ここでは、NISAのつみたて投資枠でも購入できる人気の高いインデックスファンドを紹介します。
| 投資対象 | ファンド名 | 連動する指数 | 信託報酬(税込・年率) |
|---|---|---|---|
| 全世界株式 | eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー) | MSCI ACWI | 0.05775% |
| 米国株式 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | S&P500 | 0.08140%以内 |
| 先進国株式 | たわらノーロード 先進国株式 | MSCIコクサイ | 0.09889%以内 |
| 国内株式 | eMAXIS Slim 国内株式(TOPIX) | TOPIX | 0.143%以内 |
| バランス型 | eMAXIS Slim バランス(8資産均等型) | 複合指数 | 0.143%以内 |
| 新興国株式 | eMAXIS Slim 新興国株式インデックス | MSCIエマージング | 0.1518%以内 |
※信託報酬は変動する場合があります。最新の数値は各運用会社の交付目論見書で確認してください。
信託報酬はわずかな差に見えますが、長期投資では複利効果によってコストの影響が年々積み重なるため、できる限り低コストのファンドを選ぶことが資産形成の基本です。
投資初心者には、一本で世界中の株式に分散投資できる「全世界株式型」が、地域リスクを抑えながらシンプルに運用できる点でおすすめです。一方、ある程度リスクを理解した上で高いリターンを狙うなら「米国株式型」、値動きの安定性を重視するなら「バランス型」など、ご自身の投資目的やリスク許容度に合わせて選択することが大切です。
「オルカン」と「S&P500」、迷ったらどっち?
- 「eMAXISSlim全世界株式(オール・カントリー)」は通称「オルカン」とよばれ、純資産総額は約10兆円(2026年3月時点)と国内トップクラスの規模を誇ります。1本で全世界に分散できる安心感がメリットです。一方で「eMAXISSlim米国株式(S&P500)」は、成長力のたかい米国に集中投資できます。判断にまよう場合は、地域をしぼらずに済むオルカンからはじめるのが無難です。
インデックスファンドのメリット
インデックスファンドが初心者にすすめられる理由はおもに5つあります。コスト・分散・手軽さなど複数のメリットがかさなっている点が、ほかの金融商品にはない強みです。
1. 少額から幅広く分散投資できる
インデックスファンドは1本で数百〜数千の銘柄に分散投資する効果をもちます。たとえば全世界株式型なら、約50カ国・2,700銘柄以上へ100円から投資が可能です。
- 個別株でおなじ分散効果を得ようとすると、数百万円以上の資金が必要です。少額でグローバルな分散投資が手軽にできるのは、インデックスファンドならではの利点といえます。
2. 運用コスト(信託報酬)が低い
指数に連動させるだけのシンプルな運用であるため、ファンドマネージャーによる高度な分析が不要です。その結果、保有中に毎日かかる信託報酬がアクティブファンドより低く抑えられています。
具体的には、代表的なインデックスファンドの信託報酬は年0.05%〜0.2%ほどです。アクティブファンドでは年1%前後が珍しくありません。長期投資ではこの差が複利で効いてくるため、20年後の資産額に数十万円以上の開きが出る場合もあるでしょう。
3. 値動きがわかりやすい
日経平均やS&P500はニュースで毎日のように報道されています。したがって、保有ファンドの動きを直感的に把握しやすいのもメリットのひとつです。
アクティブファンドのように「中身がブラックボックス」になりにくく、構成銘柄が指数とほぼ同じという透明性も、投資家にとって安心感につながるでしょう。
4. プロの大半に勝てるという実績がある
米国の調査会社S&Pグローバルが毎年公表する「SPIVA」レポートによると、15年以上の長期ではアクティブファンドの約9割が指数を下回るという結果が出ています。
手数料をさし引いたあとのリターンで市場平均を上回り続けるのは、プロにとっても容易ではありません。この事実が、コストの低いインデックスファンドが支持される根拠のひとつになっています。
5. 長期の積立投資と相性がよい
低コストかつ分散投資ができるインデックスファンドは、毎月コツコツ積み立てるスタイルに適しています。短期の値動きに左右されず、時間を味方につけて資産を増やす「ほったらかし投資」との相性がよい商品です。
毎月一定額を積み立てる方法は、「ドルコスト平均法」とよばれる投資手法です。たとえば毎月 1万円ずつ買う場合、価格が高いときは少ない口数を、安いときは多くの口数を自動的に買い付けることになります。結果として、1口あたりの平均取得単価がならされる効果があります。
この方法のメリットは、「いつ買えばいいのか」というタイミングの判断をしなくて済む点です。相場が上がるか下がるかを予想する必要がなく、精神的な負担がすくないのも初心者にとっての大きな利点です。
- ただし、ドルコスト平均法は「必ず利益が出る」手法ではない点に注意が必要です。相場が長期にわたって下落しつづける局面では、平均取得単価が下がっても含み損は拡大します。あくまで「買い時のリスクを分散する技術」であり、元本保証の仕組みではないと理解したうえで活用しましょう。
インデックスファンドのデメリット・注意点
インデックスファンドにも弱点はあります。「平均に乗れば安全」と思いこむと見落としがちなリスクを5つ整理しました。
1. 市場平均を超えるリターンはねらえない
指数に連動する設計上、良くも悪くも「市場の平均点」にとどまります。特定の成長株が急騰しても、その恩恵をフルに受けられるわけではありません。
2. 市場全体の下落リスクがある
リーマンショック(2008年)やコロナショック(2020年)のように、相場全体が急落する局面ではインデックスファンドも同じように値下がりします。元本保証の商品ではない点を理解しておく必要があります。
過去のおもな急落局面を振り返ると、リーマンショック(2008年)では世界株式が約50%下落し、回復までに約4~5年を要しました。コロナショック(2020年)では約30%の下落を記録しましたが、各国の金融緩和もあって約6ヶ月という比較的短い期間で元の水準を取り戻しました。
- 重要なのは、いずれのケースでも「暴落時に売らずに保有しつづけた投資家」はその後の回復で損失を取り戻し、さらに利益を得ているという事実です。一方、最大のリスクは「下落そのもの」よりも「下落時に感情的に売ってしまうこと(狼狽売り)」です。「積立を続けること自体がリスク管理」という意識をもっておくと、暴落時にも落ち着いて行動できます。
3. 指数の偏り(セクターバイアス)がある
指数によっては、特定の業種への集中度が高い場合があります。たとえばS&P500は時価総額ベースでテクノロジー企業の比率が約3割にのぼり、IT業界の動向に対しての感応度が高めです。
「分散投資」とはいっても、指数ごとに構成がことなります。複数の指数を組み合わせるなど、指数の偏りを補う視点も大切です。
4. 短期で大きく稼ぐのにはむかない
数百〜数千の銘柄に分散しているぶん、値動きは個別株よりおだやかになりがちです。数日〜数週間でおおきな利益を出す短期売買には適していません。
5. コストがゼロではない
アクティブファンドより低コストとはいえ、信託報酬は毎日かかっています。同じ指数に連動するファンドでも、運用会社によって報酬率が異なるため、必ず比較してから選びましょう。
信託報酬以外にも、ファンドの運用にはさまざまな費用がかかっています。具体的には、次のような項目が「隠れコスト」とよばれるものです。
売買委託手数料
ファンドが株式を売買するときに証券会社へ支払う手数料です。構成銀柄の入れ替えが多いファンドほど、この費用がかさみます。
保管費用
海外資産を保管するための費用です。外国株式に投資するファンドではとくに発生しやすい項目です。
監査費用
ファンドの財務諸表を監査法人がチェックするための費用です。
これらの合計を「実質コスト」とよび、年に1回発行される「運用報告書」に記載されています。信託報酬だけでなく、実質コストもあわせて確認すると、より正確にファンド同士を比較できます。とくに同じ指数に連動するファンドを複数比較する際には、実質コストの差が、選びの決め手になることもあります。
インデックスファンドとアクティブファンドの違い
投資信託は運用方針によって「インデックスファンド」と「アクティブファンド」に大別されます。
| 比較項目 | インデックスファンド | アクティブファンド |
|---|---|---|
| 運用目標 | 指数に連動する | 指数を上回る成果をめざす |
| 銘柄選定 | 指数の構成にしたがい機械的に決定 | マネージャーが独自に分析・選定 |
| 信託報酬(めやす) | 年0.05%〜0.2%ほど | 年0.5%〜1.5%ほど |
| 値動きの傾向 | 市場平均とほぼおなじ | ファンドにより大きくばらつく |
| 透明性 | 高い(構成銘柄が明確) | ひくめ(運用者の裁量による) |
| 初心者へのおすすめ度 | ◎ | △(経験者むけ) |
コストを抑えて堅実に資産を増やしたい初心者には、インデックスファンドがまず第一の選択肢になるでしょう。慣れてきたら、アクティブファンドとの組みあわせを検討するのもひとつの方法です。
なお、アクティブファンドについて詳しく知りたい方は、こちらの記事もあわせてご覧ください。
インデックスファンドとETFのちがい
ETF(上場投資信託)もインデックスに連動する商品ですが、通常のインデックスファンド(非上場の投資信託)とはいくつか違いがあります。
| 比較項目 | インデックスファンド | ETF(上場投資信託) |
|---|---|---|
| 上場の有無 | 非上場 | 証券取引所に上場 |
| 購入窓口 | 証券会社・銀行などで購入 | 証券会社のみ(株とおなじ売買) |
| 価格決定 | 1日1回の基準価額 | 市場でリアルタイムに変動 |
| 積立投資 | 自動積立に対応(100円〜) | 対応が限定的 |
| 分配金の再投資 | 自動再投資コースあり | 自動再投資はげんそく不可 |
| NISAつみたて投資枠 | おおくが対象 | ごく一部のみ対象 |
NISAのつみたて投資枠で毎月コツコツ積み立てたい初心者には、自動積立や分配金の自動再投資にも対応するインデックスファンド(非上場型)のほうが使い勝手が良いでしょう。
一方で、リアルタイムで売買したい中・上級者にはETFが向いています。
インデックスファンドのえらび方
おなじ指数に連動するファンドは複数存在します。どのファンドにするかは、以下の4つの基準で比較すると失敗しにくいでしょう。
1. 信託報酬(運用コスト)の低さ
信託報酬は保有している間、ずっとかかる費用です。年0.1%と年1.0%の差は一見わずかですが、毎月3万円を20年間つみたてた場合、年率5%のリターンを前提にすると最終的な資産額に100万円以上の差が出るケースもあります。
同じ指数に連動するファンドどうしなら、信託報酬が低いファンドを選ぶのが基本です。なお、信託報酬だけでなく「実質コスト(隠れコスト含む)」もチェックするとより正確に比較できます。
2. 純資産総額のおおきさ
純資産総額とは、そのファンドに集まっている資金の合計です。残高がおおきいほど多くの投資家に支持されており、安定した運用が行われる傾向にあります。
逆に純資産が極端に小さいファンドは、繰上償還(ファンドの運用が途中で終了する)のリスクを孕んでいます。目安として、50億円以上あるファンドを選びましょう。
3. トラッキングエラーの小ささ
先述のとおり、トラッキングエラーはファンドの運用精度を示す指標です。ズレが小さいファンドほど、指数にしっかり連動できていると判断できます。運用報告書の「騰落率とベンチマークの差」を確認しましょう。
4. 投資対象の地域・資産クラス
日本株だけに投資したいのか、米国に集中したいのか、世界全体に分散したいのかで、選ぶべき指数(ファンド)は変わります。自分のリスク許容度や投資目的にあった対象を選ぶのが出発点です。
インデックスファンドとNISA
インデックスファンドの低コスト・分散投資というメリットを最大限に活かせる制度がNISA(少額投資非課税制度)です。ここではNISAのしくみとインデックスファンドとの相性を解説します。
NISAとは投資の利益が非課税になる制度
通常、投資で得た利益には約20%の税金がかかります。NISAを利用すると、この税金がゼロになる仕組みです。2024年にスタートした新NISAでは、非課税保有期間が無期限化されたうえ、つみたて投資枠と成長投資枠の2つを併用できるようになりました。
| つみたて投資枠 | 成長投資枠 | |
|---|---|---|
| 年間投資上限 | 120万円 | 240万円 |
| 非課税保有限度額(生涯) | 合計1,800万円(成長投資枠は1,200万円まで) | |
| 非課税保有期間 | 無期限 | 無期限 |
| おもな対象商品 | 金融庁が認めた投資信託 | 上場株式・投資信託・ETFなど |
つみたて投資枠とインデックスファンドの相性
つみたて投資枠の対象商品は、金融庁が「長期・積立・分散投資に適している」と認めた投資信託に限られています。信託報酬が低く安定した運用実績を持つインデックスファンドが多数ラインナップされているのは、そのためです。
多くのネット証券では月100円から積立設定が可能で、クレジットカード決済によるポイント還元にも対応しています。インデックスファンドの低コスト×NISAの非課税メリットをかけあわせれば、長期の資産形成を効率よく進められるでしょう。
金融庁が対象商品をしぼる基準とは
つみたて投資枠の対象になるためには、金融庁が定めるいくつかの条件を満たす必要があります。たとえば、販売手数料が無料(ノーロード)であること、信託報酬が一定水準以下(国内指数連動型は年0.5%以下など)であること、毎月分配型でないこと、純資産総額が50億円以上であること、運用実績が5年以上あることなどが条件に含まれます。
- このように金融庁が「長期・積立・分散投資にふさわしい」と判断した商品だけがラインナップされるため、信託報酬が低く安定運用されているインデックスファンドが自然と多くを占めることになります。初心者にとって、「金融庁がフィルターをかけてくれている」という安心感は大きいでしょう。
成長投資枠の活用も視野に
成長投資枠(年間240万円まで)では、つみたて投資枠の対象外のETFや個別株も購入できます。つみたて投資枠を使いきった方や、一括投資をしたい方はこちらの活用もあわせて検討してみてください。
インデックスファンドのはじめ方【4ステップ】
「インデックス投資を始めてみたいけど、何からやればいいかわからない」という方にむけて、4つのステップで手順を整理しました。
ステップ1:証券会社でNISA口座を開設する
まず証券会社の口座を開設します。NISA口座は1人につき1口座しか持てないため、取扱商品が豊富でコストの低いネット証券がおすすめです。
SBI証券や楽天証券などの大手ネット証券なら、オンラインで申込が完了し、最短で翌営業日に口座開設されるケースもあります。
ステップ2:ファンドを選ぶ
自分にあったインデックスファンドを決めましょう。迷ったら全世界株式型のファンド1本からスタートするのがシンプルかつ効果的です。
ステップ3:積立金額と頻度を設定する
毎月いくら積み立てるかを決め、証券会社のサイトで積立設定を行います。無理のない金額(月1,000円〜1万円など)からはじめ、慣れてきたら増額していくやり方でも問題ありません。
ステップ4:長期で続ける
設定が終われば、毎月自動で積み立てが実行されます。短期の値動きに一喜一憂せず、10年・20年というながいスパンでコツコツ継続するのが、インデックス投資で成果を出すもっとも大切なポイントです。
投資家が知っておきたい「バイアンドホールド戦略」のしくみ
バイアンドホールドとは、買った資産を短期的な値動きに惑わされずに長期間保有しつづける投資戦略です。インデックスファンドとの相性がよく、「市場全体の成長に乗る」というインデックス投資の基本思想そのものといえます。
- この戦略が有効な背景には、2つの歴史的事実があります。まず、株式市場は短期的には大きく変動するものの、15年・20年という長期でみると右肩上がりの傾向を示してきたということ。たとえばS&P500は、過去のどの20年間を切り取ってもリターンがプラスになるというデータがあります。もうひとつは、売買をくりかえすとそのたびにコストが発生し、リターンを削ってしまうということです。
さらに、複利の効果も見逃せません。利益を売却せずに再投資しつづけることで、「利益が利益を生む」複利の雪だるま式に資産がふくらみます。たとえば年率5%のリターンで運用した場合、10年後には元本の約1.6倍、20年後には約2.7倍になる計算です。途中で売却してしまうと、この複利の恩恵が途切れます。
ただし、バイアンドホールドは「一度買ったら永遠に放置する」という意味ではありません。ライフステージの変化やリスク許容度の変化に応じて資産配分を見直すことは必要です。「基本は保有、でも定期的に点検」というバランス感覚が大切です。
現代ポートフォリオ理論とは?「分散投資が大事」の科学的根拠
インデックスファンドが「分散投資」を重視する背景には、ノーベル経済学賞を受賞したハリー・マーコウィッツの「現代ポートフォリオ理論(Modern Portfolio Theory)」があります。この理論は、「値動きの異なる複数の資産を組み合わせると、リスクをおさえながらリターンを改善できる」ことを数学的に証明しました。
- たとえば、A社の株は景気がよいときに上がり、B社の株は景気が悪いときに上がるとします。どちらか1社だけに投資すると値動きが激しくなりますが、両方を半分ずつ持てば、どちらの局面でも片方がクッションの役割を果たし、全体のリスクがやわらぎます。これが分散効果の本質です。
ポイントは、「分散によるリスク低減はタダで手に入る」ということです。リターンを上げるには通常リスクも大きくとる必要がありますが、分散によるリスク低減はリターンを犠牲にせずに実現できます。マーコウィッツはこれを「投資における唯一のフリーランチ」と表現しました。
この理論をふまえると、「全世界株式型のインデックスファンドで数千銀柄に分散投資する」という選択が、いかに合理的かがわかります。さらに、株式と債券のように値動きの異なる資産クラスを組み合わせれば、分散効果はいっそう高まります。「株式だけ」「米国だけ」に偏ることのリスクを意識し、自分のリスク許容度にあった組み合わせを考えることが、ポートフォリオ理論から学べる実践的な教訓です。
この記事のまとめ
この記事では、インデックスファンドの仕組みや代表的な指数、メリット・デメリット、他の運用商品との違い、NISAとの相性、始め方までを一通り整理しました。まずは「何に連動する商品なのか」「自分のリスク許容度に合っているか」を確認し、迷う場合は全世界株式型など分散しやすい商品から検討すると判断しやすくなります。不安が残る場合は、投資のコンシェルジュの無料相談も活用してみてください。

MONO Investment
投資のコンシェルジュ編集部は、投資銀行やアセットマネジメント会社の出身者、税理士など「金融のプロフェッショナル」が執筆・監修しています。 販売会社とは利害関係がないため、主に個人の資産運用に必要な情報を、正確にわかりやすく、中立性をもってコンテンツを作成しています。
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関連する専門用語
インデックス
インデックス(Index)は、市場の動きを把握するための重要な指標です。複数の銘柄を一定の基準で組み合わせることで、市場全体や特定分野の値動きを分かりやすく数値化しています。 代表的なものには、日本の株式市場を代表する日経平均株価やTOPIX、米国市場の代表格であるS&P500などがあります。これらのインデックスは、投資信託などの運用成果を評価する際の基準として広く活用されており、特にパッシブ運用(インデックス運用)では、この指標と同じような値動きを実現することを目標としています。
インデックスファンド
インデックスファンドとは、特定の株価指数(インデックス)と同じ動きを目指して運用される投資信託のことです。たとえば「日経平均株価」や「TOPIX(東証株価指数)」などの市場全体の動きを示す指数に連動するように設計されています。この仕組みにより、個別の銘柄を選ぶ手間がなく、市場全体に分散投資ができるのが特徴です。また、運用の手間が少ないため、手数料が比較的安いことも魅力の一つです。投資初心者にとっては、安定した長期運用の第一歩として選びやすいファンドの一つです。
トラッキングエラー
トラッキングエラーとは、主にインデックスファンドなどの運用成績が、目標とする指数(たとえば日経平均株価やS&P500など)とどれくらいズレているかを示す指標です。ファンドは基本的に指数に連動するように運用されますが、運用コストや売買のタイミングの違いなどにより、実際の成績が指数と完全に一致することはまれです。 この差が大きいほど、運用が指数とずれていると評価されます。トラッキングエラーが小さいほど、より正確に指数に連動しているとされ、インデックス投資においては重要な確認ポイントとなります。
投資信託
投資信託は、多くの投資家から集めた資金を一つの大きな資金としてまとめ、運用の専門家が株式や債券などに投資・運用する金融商品です。運用によって得られた成果は、各投資家の投資額に応じて分配される仕組みとなっています。 この商品の特徴は、少額から始められることと分散投資の効果が得やすい点にあります。ただし、運用管理に必要な信託報酬や購入時手数料などのコストが発生することにも注意が必要です。また、投資信託ごとに運用方針やリスクの水準が異なり、運用の専門家がその方針に基づいて投資先を選定し、資金を運用していきます。
有価証券
有価証券とは、財産的価値を裏づける権利が紙や電子データそのものに具体化された証券類を指します。金融商品取引法第2条では「第一項有価証券(株式・社債など)」「第二項有価証券(投資信託受益証券など)」に分類され、さらに商法や手形法でも定義が設けられています。現在は株券不発行制度や「ほふり(証券保管振替機構)」による電子化が進み、一般の投資家が実物の証券を受け取る場面はほとんどありません。 有価証券は、大きく ①資金調達・投資対象としての証券 と ②決済・信用補完を目的とする証券 に分けられます。前者には株式、社債、国債、投資信託受益証券、ETF(Exchange Traded Fund〈上場投資信託〉)などが含まれ、保有者は配当金や利息、値上がり益を得る可能性があります。後者には約束手形や小切手が該当し、主に企業間の支払い手段として流通しますが、一般的な投資対象にはなりにくい点が前者と大きく異なります。 企業や政府は有価証券を発行して広く資金を集め、投資家は将来得られるリターンを期待して取得します。その価格は市場の需給、金利水準、発行体の信用力などで日々変動するため、価格変動リスクと引き換えに収益機会を得られることが資産運用上の魅力です。ただし、譲渡益や配当・利息には原則として20.315%の申告分離課税がかかり、上場株式や公募投信は時価評価が会計基準でも義務づけられるなど、税務・会計・金融規制の面でも厳格なルールが設定されています。 このように有価証券は、金融市場を通じて資金を循環させる中心的なインフラであり、個人投資家にとっては資産形成の主軸となる一方で、法律・税務・会計の枠組みによって権利が保護され、リスク管理が図られている点が大きな特徴です。
分配金
分配金とは、投資信託やREIT(不動産投資信託)などが運用によって得た収益の一部を、投資家に還元するお金のことです。これは株式でいう「配当金」に似ていますが、分配金には運用益だけでなく、元本の一部が含まれることもあります。そのため、分配金を受け取るたびに自分の投資元本が少しずつ減っている可能性もあるという点に注意が必要です。分配金の有無や頻度は投資信託の商品ごとに異なり、毎月、半年ごと、年に一度などさまざまです。投資初心者にとっては、「お金が戻ってくる」という安心感がありますが、長期的な資産形成を考えるうえでは、分配金の出し方やその内容をしっかり理解することが大切です。





